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35mm F2を、わずか4万円弱で愉しめる7Artisans。

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フィルム時代のカメラを知る人であれば、コンパクトカメラなどでとても馴染みがある「35mm」という画角。それが、最近ではカメラのレンズで「35mm」は影が薄くなったと感じるのは私だけでしょうか。 実際、私自身「広角だけど、そんなに広く無い」中途半端感のある35mm付近の画角に苦手意識があります。私はCONTAX T2を持っていますが、正直いって単焦点38mmの画角が苦手で、すっかり使わなくなりました。 そんな苦手を克服したいと考え、この度購入したのが中華レンズ「 7Artisans 35mm F2 」です。先般、ご紹介した「 7Artisans 50mm F1.1 」が妙にクセの強いレンズでして、何故かそれを気に入ってしまったので、今回も7Artisansを購入した次第です。 Lo-Fiレンズ、7Artisans 50mm F1.1 (その1) 「Lo-Fi」(ローファイ)なる言葉を耳にした事ある方も多いのではないでしょうか。いわゆるオーディオや映像分野で1970〜80年代に謳われた「Hi-Fi」(ハイファイ:High Fidelity=高忠実度、高精細)の対義語として、生まれたLo-Fiなる言葉は「Low-Fide...      7Artisans、例によってこのレンズの元ネタと表現するのが適切か、はたまたリスペクト対象と言うべきか。とまれ、その作りから明らかにライカ社のズミクロン(SUMMICRON M f2/35mm)、中でも”7枚玉”と呼ばれる3世代目を意識した作りとなっているのが分かります。 上記のように、かなり意識した仕様になっている事が分かりますが、レンズ構成が片やガウス型、此方ゾナー型と異なります。なにより決定的なのは価格で、1/10未満と決定的な差があります。 ライカ社のズミクロン(SUMMICRON M f2/35mm)は、歴代人気の高いレンズ故にリスペクト品としては7Artisansの他にも 中国LIGHT LENS LAB社の通称「周八枚」 が有名です。 こうして並べると、7Artisansが3世代目、 周八枚 が1世代目を対象としているのが分かります。 周八枚 が高い完成度で本家ズミクロンと遜色ない(見分けがつかない)描画と言われるのに対し、7Artisansはその価格からも分かるように、本家とは全く異なる

Lo-Fiレンズ、7Artisans 50mm F1.1 (その4)

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かれこれ4回に渡り掲載の「 7Artisans 50mm F1.1 」ですが、遅ればせながら肝心の実写について紹介します。 一言で表すなら、兎に角クセが強いレンズです。以下、全て作例は”敢えて”の絞りF1.1の全開放で撮影しています。このレンズを使う醍醐味は開放F1.1であり、それ以上でもそれ以下でも無いと考える為です。   (F1.1 , 1/4000 , ISO400) 明るいレンズ故に、夜間の撮影が楽しいです。フィルム時代の感覚でISO400固定にして撮影するも、F1.1では其れでも明る過ぎてシャッタースピードは1/4000まで上げています。 これは 以前の記事でも紹介しましたが、私が後遺症によって手の震えが生じるようになってしまった為 、シャッタースピードを極力あげたい動機によるものですが、それにしても凄い値です。   (F1.1 , 1/800 , ISO400) 美しい花屋のディスプレイ。開放では輪郭が滲みがちですが、こういう場面では目立たなくて良いですね。ガッツリ四隅の落ちる周辺減光も、夜に撮れば良い感じに仕上がります。   (F1.1 , 1/30 , ISO400) 玉ボケ具合を見てみましょう。中心部こそ綺麗ですが、少し中心から外れると盛大に四隅に流れが生じているのが分かります。これを欠点と取るか、特徴と捉えるかで、このレンズとの相性が見えて来そうです。玉ねぎ状のボケ(年輪ボケ)ばかり目にする非球面レンズ全盛の昨今、こういうボケ味も新鮮で良いですね。   (F1.1 , 1/8000 , ISO100) 中心のフェンスに焦点を合わせています。合焦した中心のフェンスでも相応の滲みが出ていますね。これを許容できるかどうか。私は気になりません。 ・・・むしろ開放F1.1では周辺減光が激しすぎ、まるでInstagram等のアプリで加工したかのような”わざとらしさ”が出てきてしまう感は否めず。   (F1.1 , 1/250 , ISO400) 飲みやすくて安価なお気に入りのスペインワイン。焦点工房のヘリコイド付きマウントアダプター「 SHOTEN L.M-C.R 」を使って最短距離を縮めて撮影しています。 「 7Artisans 50mm F1.1 」は最短距離0.7mと、一般的なライカMレ

Lo-Fiレンズ、7Artisans 50mm F1.1 (その3)

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 ( 前回 の続き)今回は、七工匠「 7Artisans 50mm F1.1 」に関して、もう少し詳しくご紹介します。 このレンズは2017年に発売となり、かなり話題となった事からネット上では既に多数のレビューが掲載されており評価が定まったと言えます。 概ね、其れ等をまとめると、以下の様な意見に集約されます。↓ ・7Artisansの ビルドクオリティはとても良好 ・7Artisansの開放F1.1では、 とにかく良くボケる ・開放F1.1をNoctiluxと比べると、7Artisansの ボケは輪郭線がより滲む ・7Artisansの開放F1.1でのボケは、 やや輪郭線が強くザワついた感じ ・7Artisansの中央部は、F1.4で改善され、 F2.0まで絞るとシャープ に ・7Artisansの 周辺部はF5.6位まで絞り込まないと改善しない ・7Artisansのボケの傾向は、 四隅に向かって放射状に流れる ・7Artisansの開放F1.1では、 周辺減光が激しい ・7Artisansは 歪曲収差が強め に出る ・7Artisansは 逆光に弱くフレアが目立つ ・ さながらオールドレンズ を扱っているような気になる   このように、良くも悪くもクセが強いレンズなのは確かなようです。   私が「 7Artisans 50mm F1.1 」を購入するきっかけとなったのは、当ブログでも何度もご紹介している、キヤノンが1960年代に出した「FL50mm F1.4 II」の持つクセに魅力を感じた為です。「FL50mm F1.4 II」を使っていく内に、もっと被写界深度の浅いレンズも試してみたくなってきました。ただ、F1.4のその先を試そうとすると、急に価格が跳ね上がる他、選択肢も一気に狭まります。 (CC Photo Terry Chay .) 最初に候補として挙がったのが、コシナ社のVoigtlander(フォクトレンダー)「 NOKTON 50mm F1.1 」です。F1.1であり、歪みも少なく、高い描画性能には定評があって安心して絞り開放から使えます。 「 NOKTON 50mm F1.1 」は価格も定価137,500円(税込)、新品120,000円前後、中古なら80,000円前後で購入できます。世界中で人気のレンズですから、もし相性悪く

Lo-Fiレンズ、7Artisans 50mm F1.1 (その2)

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 ( 前回の続き ) 前回 は私の購入した中国・七工匠「 7Artisans 50mm F1.1 」の元ネタ的な存在である、ライカ社の「 Noctilux 50mm f1.0 」(ノクチルックス)との比較をしてみました。 実はこの「 Noctilux 50mm 」を模した中華レンズがもう1つ存在します。それが「 TTArtisan 50mm F0.95 」です。 私の持つ「 7Artisans 50mm F1.1 」と名前もよく似たこのレンズを知るには、まず前置きとして「 7Artisans 」と「 TTArtisan 」という2つのブランドの違いを理解するところから始めねばなりません。   前回の記事にもご紹介したように、七工匠こと「 7Artisans 」は、中国のカメラ愛好家7人が2015年夏に深圳で立ち上げたプロジェクトがスタートとなります。 七人の匠=それぞれレンズ光学に長けた者、デザインに長けた者、生産工程に長けた者などが集まって、自分達の理想とする趣味性の高いレンズの設計・開発を目指すプロジェクトです。 私の購入した「 7Artisans 50mm F1.1 」のように、クラシカルで安価なマニュアルレンズを特徴としています。   一方、よく似た名前の「 TTArtisan 」は2019年に同じく中国・深圳でスタートした新興ブランドです。中国名「銘匠光学」なる同ブランドは、深圳市铭匠光学科技有限公司という会社が展開しています。 この会社、なかなか謎に包まれているのですが、一説には先述の「 7Artisans 」のレンズ製造を請け負っていたという話がネット界隈では公然と語られています。しかしながら、そのニュースソースが見つけられず真相は不明。   「 7Artisans 」と「 TTArtisan 」は共に名前もよく似ているのですが、趣向は結構違っていたりします。「 7Artisans 」は、どちらかというと伝統的な設計でオールドレンズに近い味わいの描画を愉しむレンズと言えます。価格帯も1〜4万円程度と安価な割にビルドクオリティの高い趣きのあるレンズが特徴となっています。 他方、「 TTArtisan 」は、非球面レンズを積極的に採用する等、どちらかというと切れ味の鋭い現代的な趣きのレンズであることが分かります。価格帯も3〜8万円程度が中心で、 7

Lo-Fiレンズ、7Artisans 50mm F1.1 (その1)

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「Lo-Fi」(ローファイ)なる言葉を耳にした事ある方も多いのではないでしょうか。いわゆるオーディオや映像分野で1970〜80年代に謳われた「Hi-Fi」(ハイファイ:High Fidelity=高忠実度、高精細)の対義語として、生まれたLo-Fiなる言葉は「Low-Fidelity」とネガティブな意味を持つものでした。 それが昨今では、 一大Lo-Fiブームが巻き起こっています 。高音質な音楽配信サービスが当たり前となった現在において、敢えて意図的に歪ませ、アナログ感の溢れるリラックスした雰囲気を持たせた ミュージック「Lo-Fi Hip-Hop」は主にYouTubeを媒介に 、世界中でムーブメントとなっています。   時を同じくして、いま世界中でフィルムカメラのブームも巻き起こっています。 誰でも高精細な写真が簡単に撮れる時代だからこそ、敢えて手間が掛かり、画質も劣るフィルムカメラを使うことが新鮮であり、オシャレであり、知的活動とさえみなされる(!)。まさに、カメラ世界におけるLo-Fiムーブメントと言えるのではないでしょうか。 このように、音楽であれ写真であれ「時代のキブン」はHi-Fi化が高度に進んだ反動としての、Lo-Fiな、つまりチルでメロウでリラックスな方向性にあると考えます。   前置きが長くなりましたが、そんなLo-Fi時代に最適なレンズを購入しました。中国・深圳を拠点とする新興レンズメーカー「 七工匠(しちこうしょう)※英語表記名:7Artisans 」の単焦点レンズです。 七工匠(7Artisans)の名前は、中国のカメラ愛好家7人のプロジェクトとしてスタートした事に由来するそうです。 2015年夏、中国のカメラ愛好家たちが集う夕食会を発端とする7Artisans Projectは、レンズ光学に長けた者、デザインに長けた者、生産工程に長けた者など各々が得意とする分野を集約し、趣味性の高いレンズの開発と商品化を目指します。   私が購入したのは、そんな七工匠の単焦点レンズ「 7Artisans 50mm F1.1 」。カメラ好きの方なら、この「F1.1」という数値の持つ凄さに驚くと共に、”あのレンズ”を思い浮かべる事でしょう。 そう、”あのレンズ”とは、ドイツのライカ社が作る「 LEICA Noctilux 50