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5月, 2023の投稿を表示しています

モバイルモニターの縦置きスタンドを自作してみた

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仕事においてセカンドモニター(マルチモニタ環境)は必須ですが、私はセカンドモニターを縦に並べる派です。よく用いられる横に置く場合、左右への首移動で肩コリが生じる関係からノートPCの真上にセカンドモニターを配置しています。 そうしたモバイルモニターを縦に簡単に設置できるアイテムとして「 WING BINDER 」なるポータブルモニタースタンドがクラウドファウンディングで発売されていました。それが冒頭の画像です。 一般販売価格は3,900円なのに対し、クラファンで事前申し込みした人は割引で購入できるようです。私はクラファンが嫌い(いま必要なのにいつ入手できるか不確実)なので、このWING BINDERを模してプラダン(プラスチック段ボール)で作ってみました。   特段、採寸とかせず、現物合わせで大体の形を切り取ったのもを貼り合わせたダケという仕上げも粗い工作です。   載せたのはKK Smart社製の 安価な中華15.6インチモニター 。1.92kgと軽量です。   仕事用のWindowsパソコンと組み合わせたらこんな感じ。製作に掛かったコストはA4プラダン×2枚で約400円程。   私の仕事は現在、週1回程度の頻度で職場に出社していますが、それ以外は自宅テレワークで作業しています。自宅では23インチモニター( ASUS製VZ239HR )を VESAマウント化して 使っていますが、出社時には上記の15.6インチなモバイルモニターを持ち込んで使っています。 【関連記事】ASUSのモニターVZ239HRをVESAマウント化 結論から言うと、VESA規格に非対応のモニターでも「 モニターアームマウントキット 」を貼り付けるだけで、安価かつ簡単にモニターをVESAマウント化することができました。これはオススメです。     勿論、職場にもセカンドモニターは用意されているのですが、フリーアドレスの配置のため、いつもセカンドモニターが使える席が空いているとは限らないことや、その日の気分に応じて景色の良い席に座りたい等を考慮すると、セカンドモニターも持参するのが手っ取り早かったりします。 私のようにセカンドモニターを横置きでは無く縦置きしたい派としては、これまで職場に行く度に アルミ合金で出来た大げさな折りたた

ヤマハ製スピーカーの空気録音比較

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「みんなちがって、みんないい」 昭和初期に活躍した 詩人・金子みすゞ「私と小鳥と鈴と」 の一文として有名ですね。多様性の豊かさと、包摂する優しさに溢れたこの詩は、100年の時を経た今なお多くの人に愛されています。 さて・・・冒頭の動画は、我が家で愛用しているスピーカー3台の「 空気録音 」による比較です。空気録音、誰が名付けたか定かではありませんが、スピーカーから流れる音をマイク録音して、擬似試聴を試みたもので、近年YouTube界隈でよく見かけるようになりました。 もちろん、耳で直接聴く響きとしての音色とマイクを介した音色では大きく異なるのは百も承知。しかしながら 条件を揃えて録音することで、各機器の音の傾向や特徴を顕在化させてくれる 興味深さもあります。   今回、空気録音で比較したのは、愛用スピーカーの中から下記3つ↓   (1) YAMAHA NS-B330 . 2015年発売。普及価格帯のハイレゾ対応スピーカー。定価50,600円(税込/ペア)。側面がカーブを描いた美しい筐体と、ツイーター部分のウェーブガイドホーンが特徴的。   (2) YAMAHA NS-BP200 .  2010年発売。オープン価格で発売当初こそ20,000円弱(税込/ペア)の値段を付けていたものの、実売11,000円前後(最安で8,000円前後)。良い鳴りっぷりが評判のコスパ・モンスター。   (3) YAMAHA NS-2 .  1995年発売。定価30,000円(ペア)。インテリアとの調和を目指した質感の高いシックな外観と、ネットワークレスでユニットが持つ音色を活かした構成が特徴。    アンプはいずれも S.M.S.L.製SA300 。私のお気に入りである同社独自のラウドネス補正 「SDB (S.M.S.L Dynamic Bass)」 はONにしています。ロスレスをアンプまでデジタル電装し、アンプ内蔵DACにてD/A変換して再生しています。録音機材は Zoom H6 、96KHz/24bitで収録しました。 以下、各スピーカーの音色に関する私の感想です。   (1) YAMAHA  NS-B330 . 高音と低音の両方がすっかりバランス良く出ています。直接、耳で聴くと音の解像度

夢のレンズ、498,000円也。

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ドリームレンズの愛称で有名なキヤノンが1961年にリリースしたF0.95の明るさを誇る大口径単焦点レンズ「 CANON 50mm F0.95 」の極上品が 札幌の中古カメラショップ で売られていました。 同レンズはeBay等でもよく見かけますが、かなりの高値が付いています。ここ15年程、価格の推移を見てきましたが、以前は20万円前後だった同レンズも、いまでは状態の良いモノは30万円前後の価格で見かけます。 ショーケースに飾られたCANON 50mm F0.95は、過去に見てきたレンズの中でも際立って状態がよいばかりか、レンズフードとケースまで付属しています(同レンズのレンズフードは初めて見ました)。マウントはライカMマウントに改造されており、その加工状態も非常に良い感じ。 迫力ある大口径、一度は使ってみたい憧れの逸品ですよね。 CC Photo by  Thómas Tan . 買うべきか、買わざるべきか。値段が値段なだけに、妻にも相談しつつ一晩考えましたが・・・冷静になると「持っていても使い処が無い」事に気づきます。 単に50mm F0.95の明るさとボケ感が欲しいだけなら、すでに「 TTArtisan 50mm f/0.95 ASPH 」が10万円チョットで手に入りますからね・・・。 なにより、付属品が揃った極上品とはいえ、やはり498,000円は(昨今の海外勢が価格を釣り上げたこともあって)少し前の相場観から見ると急に値上がった割高感が否めません。 実用面で、あまり意味のない出費となりそうで、さすがに少し冷静になって見送りました(妻からは「その50万円は家族4人の旅行代だよ」と釘を刺され、無駄遣いしてもいられない懐事情も・・・)。 CC Photo by  jpst yao . もっとも、希少性が高いレンズですので購入した後に飽きて売っても其れ程には値崩れせずに転売の可能性が期待できるカモ知れません。 ・・・いや、むしろ過去の価格推移や昨今の海外インフレ事情を考慮すると、値上がりも十分に期待できます。ある意味「投資物件」として考えるなら悪く無いのカモしれません。ほら、「レンズは資産」って言いますし(?)。 例えば、個人向け国債の「変動10」(満期10年モノ)だと金利は僅か0.239%(税引き後)

「貧しき者は幸いなり」長岡鉄男のオーディオ流儀

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先日の記事 で紹介した「波動スピーカー」を見ていたら、長岡鉄男氏を思い出しました。というのも、 長岡鉄男氏は様々なスピーカーの可能性を模索し続けた代表格の一人だからです。 長岡鉄男氏は1970〜90年代に活躍した(とりわけ80〜90年代に強い影響力を持っていた)オーディオ評論家で、メーカーに忖度しない鋭い批評がウケて、様々な雑誌に連載を持ち、著書も数多く手掛けていました(長岡鉄男氏は2000年5月に74歳で死去)。   そんな長岡鉄男氏が1970年に書いたのが冒頭の画像にある「 マイ・ステレオ作戦 」です。私が生まれる前の本なので、古本で購入した訳ですが。この頃から長岡鉄男氏の評価軸が一貫していた事が分かりとても興味深いです。 長岡鉄男氏は、オーディオの音を良くする(自分好みにする)のは、何もスピーカーやアンプといった機器をより高価なものに買い換える訳ではない、と主張します。 本書 が執筆された1960〜70年においてモダンなライフスタイルである都市生活者としてコンクリート造りの2DK「団地」に住む庶民にとって、住環境を圧迫するような大型スピーカーシステムは不要と説き、部屋の家具や生活スタイルと調和の取れたオーディオシステムの可能性を探っていきます(いまで言うなら都市部の分譲マンションでしょうかね)。 とりわけ、部屋全体の音の反射・反響などを考慮にいれた改善が必要であり、そうした改善なき住環境に高いオーディオ装置を与えても無意味と説き「改善は考えずに買い換えだけを考えるから一生不満は続く」と斬り捨てます。   他にも 本書 では 「貧しき者は幸いなり」と、庶民が故に伸び代のある趣味としてのオーディオを堪能できると主張。「ステレオ高きが故に尊からず」と読者を勇気づけます 。 そして、長岡鉄男氏の特徴でもあるのですが、自分だけのオーディオを自分の手で造ってしまおう!と自作の道に誘い込むのです。そうした自分だけのオーディオ造りとして、本書のタイトルでもある「マイ・ステレオ」の構築を目指す訳です。   波動スピーカーを見て、長岡鉄男氏と本書を思い出したのは、結局のところリスニングポジションが一定では無い住環境においては全方位に音を拡散できる「無指向性スピーカー」に可能性を見出している点です。当時、既に無指向性スピーカーは幾つか製品化されていたものの、普及することはあり