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2月, 2022の投稿を表示しています

天皇誕生日、ロイヤルファミリーの常宿にて

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世界各国にはナショナルデーと呼ばれる日が定められ、祝日になっていたりします。イメージしやすいのはアメリカの7月4日、そう独立記念日ですね。各国、概ね独立や革命の日を定めているようです。 翻って、日本のナショナルデーは何月何日でしょう?そう聞かれるとピンと来ないものですが、日本には2つのナショナルデーがあります。 1つが旧・紀元節(初代天皇こと神武天皇の即位日)である2月11日(旧暦1月1日)の建国記念日です。 そして、2つ目が正に本日、旧・天長節である天皇誕生日です。まだ肌感覚的には、先代・明仁上皇の誕生日12月23日の方がしっくり気がちですが、今上天皇 徳仁陛下の誕生日は正に本日、2月23日である訳です。   この日の札幌は朝から吹雪と快晴が交互に入り混じる複雑な空模様。地下鉄に揺られ辿り着いた先は、陛下をはじめとしたロイヤルファミリーも常宿とされる 札幌パークホテル 。 まずはホテル1階の レストラン「ピアレ」 に入り、暖かい「ホット梅酒」で体を温めます。   本来なら観光シーズン真っ盛りなこの時期。生憎の新型コロナ感染拡大が長引き、ご覧のような状況です。札幌を代表する格式あるホテルなのに、ホント気の毒。   ホテルマンの話では、陛下の泊まられる 最上階のインペリアルスイート は防弾ガラス仕様(!)との事。ホテル周囲を公園に囲まれた同ホテルは警備もしやすく、ロイヤルファミリーの常宿になっているそうです。 そんな札幌パークホテルも一時期は建て替えの構想(2023年オープン予定)もあったようですが、一連のパンデミックで計画が狂ったようで、 2021年1月には計画凍結となったとか 。   札幌パークホテルは1964年に日本を代表するモダニズム建築家・ 坂倉準三氏 がデザインしています。建物全体をびっしりと覆う青い有田焼タイルが特徴で、新緑の季節は緑の樹木と、秋は紅葉と、冬は雪景色とのコントラストが大変美しいホテルです。 とは言え、地震大国の日本において昨今の耐震基準やホテル自体の老朽化とを考慮すると、残念ですが遠からず建て替えは避けられないのでしょう。・・・とまれ、新型コロナによって建て替え迄に少しのモラトリアムが生まれたようなので、いまのうち四季折々の美しい姿を写真で残しておきたいものですね。  

スノーシュー遊び、どのレンズをお供にするか。

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先日、次女とスノーシュー遊びに、近くの原生林に行きました。 こうした際、迷うのが、カメラ選び。野鳥やキツネに遭遇する可能性を考慮して200mmや300mmの重く嵩張る望遠レンズを持っていくのか、それとも自然のダイナミズムを表現する為に広角レンズを持っていくべきか。はたまた、その両方か。   結局、この日は愛用のカメラ EOS R にキヤノンの広角レンズ EF17-40mm F4 Lを装着した訳ですが、そういう時に限って近くの木に天然記念物のクマゲラが木を突ついていたりします。なかなか上手くいかないものですね。 とまれ、快晴の青空を広角レンズで収めることができたので善しとしましょう。   スノーシューの面白いところは、フカフカの新雪を縦横無尽に歩き通せるところにあります。原生林の中を散策して自然を満喫する際は、車に戻って後部座席でゆったり寛ぎながら湯を沸かして飲むコーヒーが美味しいです。   都心部でもスノーシュー遊びは楽しく、街中を流れる川の河川敷を突き進むのも気持ちが良いもの。都心部は手近にコンビニやカフェがありますので、休憩に立ち寄って寛ぐのも良いですね。   スノーシューはスキーのようにわざわざゲレンデに行かずとも、ごく近所で楽しめる手軽さも魅力です。 本格的にスノーシューを履いて冬山登りをする人たちは安全のためにチームを組んで進みますが、私の場合、主に一人もしくは娘と二人での行動となります。雪に覆われ、普段は人が立ち入らない箇所を行き来する故に、なにか不意な事故とか生じると発見が遅れるリスクはあり、どこまで進むかのリスク算定は必要です。 とは言え、簡易装備で突き進める範囲も限られていますので私はもっぱら近所の森林地帯や都市部の河川敷などが主ですが、それでも十分に面白いのがスノーシュー遊びです。   スノーシュー含め、ウィンタースポーツ全般の共通点に、独特の心地よい疲労感があると考えます。寒い冬に屋外にいるだけで相応に体力は消耗しますから、雪の中でただ歩くだけのスノーシューであってもかなりの疲労を伴います。 そんな疲れた日の夜、体をソファーに沈め、暖かな暖房の前でお気に入りのワインを飲むのが最高のひと時。私は(健康上の理由もあって)飲酒の習慣は無いのですが、スノーシューを楽しむような

たくさんあるのに なにもない

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我が家から本棚が消えたのは、いつの事だったでしょうか。早10年そこら、紙の書籍から足を洗い、電子書籍に縛ったは良いものの、読みもしない”積読”はiPadのメモリーを消費する一方。なまじ物理的に“積み上がる”ことの無い電子書籍は、買ったことさえ忘れてしまうのが難点です。 先日、電子書籍で読んだ 「この世界の片隅に」(こうの史代) 、この作者の絵柄はザラついた印刷紙とインクの匂いを伴った方が味わい深いと考え、久しぶりに紙の本で買い直すことにしました。   向かった先は冒頭の写真にもある隣町にある大きな書店「 江別蔦屋書店 」。漢字で記述するツタヤは、いわゆる意識高い系な造りのオシャレな店内が売りです。幾度となく訪れていたものの、コーヒーを飲んだり、雑貨を買うことはあっても書籍を買うことは無かった江別蔦屋書店でした。   はじめてじっくり店内の書棚を見て驚いたのが「この本屋、探しにくい」という点。 書店員の経験ある身として言わせてもらうと、紀伊國屋書店やジュンク堂書店に見られるような秩序が全く感じられない。ただ、そこに本が存在するだけ。最近の書店は逆にこうした無秩序な並びが流行りなのかな?と思っても・・・いや、これは違う。棚に秩序が無いばかりか、担当者の思い入れや拘りもまるで透けて見えない・・・。   とはいえ、これほど物量のある書店なのだから映画にもなった 「この世界の片隅に」(上・中・下) くらい在庫あるだろう、と店内をいくら探してもそれっぽいものが全く見当たらない。同じ作者の描く「 夕凪の街 桜の国 」もまるで見当たらない。諦めて店内在庫の検索機で調べるも、在庫なし。 あらためて店内の棚をじっと見つめると、目の高さより上に置かれた本は何も関係のない洋書が“飾り”として置かれているだけで、それが高い天井まで並んでいるだけ。売り物ではなく単なる飾りの本と気づく(買えるのかもしれないけど)。他にもよくよく見れば、並んでいる書籍の種類は少なく、売れ筋の新刊が繰り返し置かれているだけでした。 この本屋、たくさんあるのに なにもない。本を「ただの飾り」として本屋が扱うことに少なからず抵抗を感じてしまいます。   同じように本を飾りとして扱っている店に、北菓楼・札幌本館の2階カフェコーナーがあります。大正時代に建てられた図書館を改装しカフェと

円山動物園の巨星、落つ。

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札幌市円山動物園のライオン「リッキー」が 2022年2月13日に死去 しました。享年19歳。聞けばライオンの平均寿命は野生下で10年、飼育下で20年との事です。  私は”動物嫌い”なので特段の思い入れは無いものの、そんな私でもリッキーは印象に残る存在でした。冒頭の写真にあるように、リッキーは鼻の「黒い痣」が特徴的で、動物なんてどれも同じ顔に見える私にでさえ個体の識別ができる園内唯一の存在です。   娘が産まれてから何度となく行く機会のあった動物園。 旧・熱帯動物館に入ると、普段嗅ぐことの無い咽せるような「獣臭さ」と共に姿を現すのが、ライオンのリッキーでした。リッキーの存在感は「百獣の王」そのものと云った迫力で、長女も次女も小さい頃は怖がって、なかなか近付けない程。   そんなリッキーとの思い出の写真、お気に入りの1枚がコレ。眼光鋭いリッキーと思わず目があってビクっと肩をすくめる長女です(笑)。この写真は奥サマが当時のiPhone4Sで撮影したもの。2012年、いまから9年も昔の写真、懐かしいです。    ”動物嫌い”、"思い入れは無い"とは言ってみたものの、彼にはもう逢えないと考えると寂しい気持ちにもなります。〔了〕 PelicanLovers.com 米国PELICAN社のペリカンケースなどハードケース愛好家のためのサイト。ペリカンケースを始めとしたハードケース類や、カメラ関係など趣味系全般サイトです。  

人生の宿題、 28mm未満のパースペクティブ

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カメラの「広角レンズ」と言って真っ先に思い浮かべる焦点距離は何mmでしょうか。私の”感覚値”では、概ね「28mm」が広角レンズの中心軸という印象を持っています。   (Photo by Phùng Chí Hiếu : Flickr ) そんな「28mm」の世界で高名な”銘玉”が3つあると考えます。その筆頭は言わずもがな「 ライカ・エルマリート(ELMARIT) 28mm/F2.8」(税込¥280,800) 。1965年に初代がリリースされて以来、小変更はありつつも基本的に変わらず、現在でも売られている驚きのロングセラーです。   (Photo by ebelbeb : Flickr ) もう1つは「 カールツァイス(Carl Zeiss) ビオゴン(Biogon) T* F2.8/28mm ZM 」(上記写真はCONTAX時代のビオゴン 2.8/28 T*)。艶やかな描画は今なお高く支持されていますよね。   そして最後はコンパクトカメラの「 リコー・GR1 」(1996年)。28mmという広角の写す世界は、街中のスナップ撮影に最適解のひとつなようです。   私は長年、キヤノン「 PowerShot G11 」と「 PowerShot G1X 」というコンパクトデジカメを愛用していますが、これらの共通点に広角端が28mm相当で、気軽に収まりの良い写真が撮れると感じています。    一方、パナソニック「 DMC-LX9 」というコンパクトデジカメも持っていますが、こちらは広角端が24mmと、若干ですが更に広角になっています。また、一眼カメラ用にはキヤノンの交換レンズ「 EF24-70mm F2.8L II USM 」という広角端24mmを持つレンズも愛用しています。    28mmと24mm。・・・僅かな違いではありますが、私にはどうにも24mmは収まり悪く、長年使っても未だしっくりと来ていません。24mmで撮る度に内省を繰り返すものの、どうにも私は28mmよりも短い焦点距離に苦手意識があるようです。 写真家・田中長徳氏は「21mmや24mmは(中略)一歩間違えると、カッコつけた写真になる。その点、28mmは広いけどナチュラル」と語っていたのは印象的。   ( EF24-

腐っても鯛、腐ってもLレンズ。

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我が家には良く似た焦点距離を持つ広角レンズが2本あります。1本はAPS-C用として2014年にリリースされた「 EF-S10-18mm F4.5-5.6 IS STM 」(APS-C専用のため焦点距離16〜29mm相当:写真右)、そしてもう1本は2003年にリリースされた L レンズ「 EF17-40mm F4L USM 」(写真左)です。 望遠端こそ差はあれど、広角端はとても近い焦点距離。価格は「 EF-S10-18mm F4.5-5.6 IS STM 」が50,600円(税込)・実売39,000〜43,000円程( 並行輸入品で35,000円弱 )。他方「 EF17-40mm F4L USM 」は L レンズであるため、定価132,000円(税込)・実売110,000円(税込)程度。相応に高額ですが、2003年リリースという事もあり、程度の良い中古でも40,000〜50,000円(税込)程度と、両者はかなり似た価格帯に落ち着きます。   実際の写りの違いを直接比較することが、やや難儀なこの2本。と、言うのも、かたやAPS-C機用、こなたフルサイズ機用ということで、同じシーンで比較撮影しても、センサーサイズによる画質差もあって単純比較が色々とやり難い。 そんな時、レンズの持つ特性を大まかに把握する方法としてメーカーが公表する「MTF曲線」を参考にすると便利だったりします(MTF曲線については コチラのサイトの解説が分かりやすい です)。 まずは、グラフ右側の「 EF-S10-18mm F4.5-5.6 IS STM 」。比較すると、とりわけ解像度の面などは10年の技術進歩から安価な入門用レンズであっても「 EF-S10-18mm F4.5-5.6 IS STM 」の方が、 L レンズな「 EF17-40mm F4L USM 」と比較しても、レンズ特性的に良い傾向にある事が読み取れます(グラフ横軸の値が違うのは「 EF-S10-18mm F4.5-5.6 IS STM 」がAPS-C専用レンズのため。そしてAPS-C機はレンズの美味しい部分である中心部だけ用いることができますので尚更メリットがあります)。 「 EF-S10-18mm F4.5-5.6 IS STM 」はカメラ内でのデジタル補正が大前提となるレンズではありますが、広角端でも四隅の

レンズは資産である、バランスシートにおいても。

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「レンズは資産」、カメラ趣味人の常套句として用いられる言葉です。 カメラ本体(ボディ)は消耗品でも、レンズは長きに渡って使えることを意味するこの言葉。デジタル時代になって尚更説得力のある言葉ですが、そう自分を説得するようになったら、それは末期症状と見られていました。    ・・・とは言え、ここに来てあながち「レンズは資産」は嘘では無く、換金性の観点からも現実味を帯びてきた感がしています。 それは、キヤノンがかつて展開していたFDレンズ(1970〜1979年)とNewFDレンズ(1979〜1989年)の価格が、ここ数年上昇を続けている為です。価格コムのようなサイト上でデータベース化されていないので気付きにくいですが、日々、中古相場を追ってる私をはじめとした一部マニアの方々は、その値動きにお気づきと考えます。 これは昨今のミラーレス機台頭により、古のレンズ群がマウントアダプター経由で難なく使えてしまう、ある種のイノベーションがベースにある訳ですが、フィルム写真ブームも加わって、改めてFDレンズ・NewFDレンズの価値が再評価された結果と言えます。   具体的な例を見ると、キヤノンが1982年にリリースした魚眼レンズ「 NewFD14mm F2.8L 」は、当時297,800円で売られていました。 これを約40年後の現在価値に換算すると、消費者物価指数比較による換算で約353,000円弱(約1.2倍弱)。大卒初任給比較による換算では約303,000円(約1.02倍)、更にGDP比較による換算では(驚くことに)289,000円弱(約0.97倍)と値減りする始末。・・・長引く日本の低迷を改めて実感します。   さて、そんな1987年の「 NewFD14mm F2.8L 」、現在の中古相場というと約350,000〜400,000円前後。元々、個体数が少ない特殊レンズな為、マーケット自体が確立されていないものの、新品同様の個体には500,000円近い値がつく事も珍しくはありません(!)。仮に300,000円の値が付いたとして118%、400,000円なら134%、500,000円なら168%もの価値になり、これはもう紛れもなく換金性の高い「資産」そのもの(!?)。  全てのレンズがこうした価値がつく訳ではなく、価値が付きやすいのはキヤノンのラインナップではいわゆる高級ラインナ