超小型スピーカーYAMAHA NS-10MMTの改造

Tiny Speaker - YAMAHA NS-10MMT.

新型コロナの感染拡大が収まる気配のない昨今、ステイホームを続けていると気になり始めるのが我が家の超小型スピーカーYAMAHA製NS-10MMTの音色(の悪さ)。

NS-10MMTはVHSテープサイズの超小型な2wayスピーカー。いま尚、人気の高い名機NS-10Mを先祖に持つシンプルな見てくれの良さや木製エンクロージャ(=スピーカーユニットを収める箱)の味わい等もあって気に入っているものの、中域の音が全く出ていないのでスカスカ感&ドンシャリ感が否めない残念仕様です。

 

そこで、この機会に改造することに。具体的には低音を担うウーハー部分を、高域〜中域〜低域までを広くカバーするフルレンジに改造すると共に、吸音材を入れて音の安定化を図ってみました。

Tiny Speaker - YAMAHA NS-10MMT.

とりあえず中身を見てみよう、とターミナル端子部分から中を覗いてみます。コイルとコンデンサが搭載されたネットワーク回路が見えます。2Wayスピーカーでは高音を担うツイータ部分に高域の信号のみを送り、低音を担うウーハ部分に低域信号のみを送るための回路が用意されています。




上記が一般的な2Wayスピーカーのネットワーク回路図。コンデンサ(キャパシタンスとも言う)は低音をカットしてくれる働きがあり、逆にコイル(インダクタンス)は高音をカットする働きがあり、それぞれカットしたい側に付いているのが分かりますね。

 



当初想定ではウーハ部分を別のフルレンジスピーカーに交換しよう、と考えておりました。フルレンジは低域のみを担うウーハと異なり、全域を担うので上記の赤でハイライト部分を回路上からカットする必要があります。つまり、フルレンジのスピーカーに高域を強化する意味でツイータを追加したかのような構成にしたいと考えました。

 

・・・同じような試みをしている人が他にいないかな?とググるも見つけられず。代わりに見つけたこのサイトでは元のウーハをそのままフルレンジに使っており、なるほど其れはお手軽で良さそうだと考え、私も真似して見ることにしました。

 



まずスピーカーの回路と前述の回路図を比較して追記したのが上記画像。コイルを経由しないように繋ぎ直し、高域の逃げ道となるコンデンサも不要になるので外します。

 



加工後の回路が上記画像。先述の参考にしたサイトで掲載されている繋ぎ方と同じなので、多分あっているでしょう(苦笑)。

 

Compact Disk.

さっそく試聴してみたのは世界最高峰チェロ奏者ヨーヨー・マと、ジャズの著名なシンガーであるボビー・マクファーリンが組んだ1991年の作品「HUSH」。

狙い通り、チェロに音の厚みが増し良い感じです。元々、高域の澄んだ音には定評あるNS-10MMTですが、中域の音の厚みが加わったことで満足の行く音になりました。ウーハをフルレンジ化することに多少の不安はありましたが、これで安心です。

 


気を良くして次に試聴したのはクラシック音楽。19世紀フランスの音楽家ジョルジュ・ビゼー第一組曲「アルルの女」。ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団の演奏をデジタル録音しSBM(スーパー・ビット・マッピング)収録された高音質CDです。

・・・と、ここで音に厚みのある演奏シーンに於いて若干、スピーカーから宜しく無い響きが聴こえてきたので再度スピーカーを開けて吸音材を入れることに。用いた吸音材は手近にあったペリカンケース等に使うウレタンフォームだったのですが(苦笑)、スピーカーのエンクロージャ内に適当に詰めたところ響きも解消され良い感じになりました。

 


続いて試聴したのはフランスのスムースジャズ系ギタリスト、マーク・アントワンの「Mediterraneo」(2003年)。この作品は別に高音質を意識して収録されていないこともあり、元々どんな環境で鳴らしても”其れなり”な音しか出ないのですが・・・改造後のNS-10MMTで聴いたら余計にモコモコした音色で心地よくはありません。中域〜低域を厚めにした曲には不向きなようでした。

 

そもそもNS-10MMTの発売は2001年。当時はDVDでのホームシアター構築が流行っており、テレビの横に設置する映画鑑賞用や、リアスピーカー用途で設計されたものでした。そう考えると高域や低域が優先される音づくりも納得でこれを一般的なリスニング用途にリビング・オーディオとして用いようという発想自体が誤りなのは承知の上です。

其れでも狭い都市型マンション住まいの我が家には最適なサイズ感と見た目の端正さもあり、リビングに据え置きたいお気に入りのスピーカーです。

今回施した改造により(演奏する曲をある程度限定すれば)とても聴きやすい澄んだ音色を奏でてくれるようになり、まだ暫く続くステイホームの質的向上に貢献してくれそうです。〔了〕



コメント

  1. こんばんは。
    訪問、有難うございます。
    僕も最初は吸音材を適当に下側に詰めたら反響が気になったので
    バスレフポートに通る音に掛かるように吸音材を入れ直したら
    好みの音になりました。少しの改造で音が変わる事にビックリでした(笑)
    ではお互いに良い音楽ライフを。

    返信削除
    返信
    1. コメントありがとうございます!
      まさに仰るように、色々と楽しめそうなスピーカーですよね。
      大変参考になりました。m(_ _)m

      削除

コメントを投稿