スピゴットな R、FL、FD、そしてNewFD。



前回に引き続き、古いキヤノン製カメラのお話し。今回はスピゴット式のマウントについてご紹介します。

キヤノンでは1959〜1963年の約4年間に渡って使われた「Rマウント」に始まり、続く「FLマウント」(1964〜1974年)→「FDマウント」(1970年〜1979年)→「NewFDマウント」(1979〜1989年)と、約30年に渡りスピゴット式のマウントが用いられてきました。

スピゴットとは、いわゆる「継手(つぎて)」で、イメージしやすいのは水道管などのパイプの繋ぎ合わせ部分でしょうか。装着して締め付けることで固定するもので、まさにレンズも以下のようにレンズを嵌めたあとに継手部分を回して締め込むものです。


R〜FL〜FDマウントまでは、ごく単純にレンズを装着後に、継手となるリングを回して締め込むタイプだったのですが、これには幾つかの欠点がありました。

 


(1) レンズ交換し難い

上記のように、片手にはカメラボディ、もう片方の手にはレンズを持った状態で、レンズ根元にあるリングを締め付けて固定する必要があります。

これがよく「手が3本いる」と陰口を言われる所以です。最近のレンズはレンズ自体を握って捻ることでカチっとカメラボディに装着できますが、スピゴット式の場合、机の上などにカメラを置いて装着する等しないと実に難儀。

 

(2) どこまで締め付ければ良いのか分かり難い

固定リングをしっかり締めないとダメな反面、それをどこまで締め付ければ良いのか分かり難い問題があります。

要は気合い入れてしっかり締め付けてしまうと、後で緩めるのにとても苦労したりします。最近のレンズのようにカチっというロック機構も無いので、締め付けの目安に欠ける訳です。

 

こうした問題を解決するため、1979年に登場したNewFDマウントでは、旧来までのR〜FL〜FDマウントに上位互換を持ちつつ、大きな進化を果たします。


スピゴット式のまま、これまでは締め付け部分をシルバーのリング部分だけに担わせていたのに対し、レンズ丸ごと締め付け部分と一体化することで、レンズを握って捻って装着するタイプになります(厳密に言うとレンズが二重構造になっていて、手で掴むレンズ筐体外側の部分と、絞りレバー等の決められた位置で装着する必要のある内側部分とで構成され、外側を回しても内側は回らない構造となっています)。

また、どこまで締め付ければ良いか分かり難かった部分については、ロック機構を持たせてカチッと音がするところまで力をかけずにレンズを回すだけで済み、取外し時はロックボタンを押下しながらレンズ全体を回して外す、とてもシンプルな動作に変わります。

いわゆる現在では当たり前となったレンズ交換の所作がここで確立されたことが分かりますね。

 

一見、大きな違いが無いように見える、同じスピゴット式のR〜FD〜FDマウントと、NewFDマウントでは大きな違いがあります。NewFDマウントを眺めていると、なかなか面白い発見もありますので、詳細は別記事にて追ってご紹介させていただきます。〔了〕


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