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EOS Rのカメラ内レンズ光学補正で、古のレンズが蘇る

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ネット界隈では先日発売された「RF 50mm f1.8」の話題で盛り上がっていますが、敢えてEF 50mm、それも2世代前の「 EF 50mm  f1.8II 」について今更過ぎるのですが語らせて下さい。 少し前から使い始めた EOS R 。 正直、長年使ってきた一眼レフカメラに比べ、ミラーレスにメリットを感じる事は殆ど無い老害(アラフィフ)な私でしたが、 EOS R がカメラ内で処理してくれるレンズ光学補正(DLO=デジタルレンズオプティマイザ)には心底、驚かされました。   カメラ内処理によるレンズ光学補正自体は、以前から愛用しているEOS 7D Mark 2にも搭載されていましたが、歪曲収差と色収差そして周辺光量補正の3点による補正で、DLOはRAWデータで撮影してMac側で後処理が必要でした。 私はJPEGでしか撮影しないので、EOS 7D Mark 2でのレンズ光学補正ではDLOの恩恵に預かれていませんでしたが、 EOS R では、それがカメラ内で処理してくれるのでJPEGオンリー派な私でもDLOの恩恵を受けられる事となりました。   (ISO100, f5.0, 1/200) 上記写真は、近所のカフェで撮影したもの。レンズ「 EF 50mm f1.8II 」+ボディ「 EOS R 」の組み合わせ。 この EF 50mm f1.8II は、1990年に発売されたフィルムカメラ時代のレンズで2015年迄の25年間に渡り発売され続けた超ロングセラー。通称「撒き餌レンズ」と言われ、定価12,000円、私が購入した2009年時点で8,000円チョイというキヤノンレンズ群の中でも最低価格なレンズです。 フィルムカメラ時代に設計され、且つ8,000円チョイの安価なレンズが EOS R で見事に蘇りました。前述の光学レンズ補正のおかげで、歪みの無い、キレの鋭いシャープな描画となっています。陰影にも優れた懐の深い描画に仕上がってくれていると感じます(ちなみに同レンズ、逆光には滅法弱いので悪しからず・・・)。 DLOによるレンズ光学補正の威力は以前から知ってはいたものの、それがカメラ内で完結できる手軽さは私にとって衝撃的でした。 高価なLレンズを狙わなくても 、DLOデータを持つ古のEFレンズ群の中から安価な中古レンズをセレクトして

CQC-01プレートがpeak design”capture”でロックできない件を解決する

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以前、米国peak design社のクイックリリース「 capture 」を完コピした 中華製「CQC-01」がヤバい件を記事にしましたが 、1つだけ問題点がありました。 それは、 中華コピー品のCQC-01 のプレートを、peak design社の capture に用いた際に、ロック機構が効か無くなる(ロックしようとしてもロック側に入らない)点です。 【関連記事】peak design「capture」を完コピしたCQC-01が色々ヤバい:PelicanLovers.com カメラ用クイックリリースとして有名な米国peak design(ピークデザイン)社の「capture(キャプチャー)」を完コピした中華製クイックリリースSWFOTO製「CQC-01」を購入してみました。      結論としては、 CQC-01 のプレート側を1mm弱ほど削ることで、peak design社の capture に用いた際にもロック機構が問題なく作動するようになります(ロック機構を使うことが無かったので、気づくのに時間が掛かりました)。   peak design社の capture に用いられるプレートは、上記のようにプレートの引っ掛け部分となるのが、端から13mmの位置にあります。    それに対し、 CQC-01 のプレートでは、上記のように12mmの位置となり、1mmのズレがあります。 この1mmの違いにより、 capture のクイックリリースに CQC-01 のプレートを用いると(装着は問題なく出来るものの)ロックを掛けようとした際に引っ掛かってしまい、ロックができません。   CQC-01 はアルミニウムで出来ているため、小型リューターで簡単に削れます。用いたリューターは Amazonで2,300円程で購入した安価なもの 。こんな簡易的なリューターでも問題なく削れます。  上記のような感じで、それぞれ1mm弱を削るだけで、ロック機構の問題をクリアできました。 このように安価なのにpeak design社の capture と互換性がある CQC-01 は、captureユーザーの2個目・3個目の利用に向いていると考えます。〔了〕 (※プレートの加工や互換品=中華パチモンの利用は自己責任にてお願いし

中華マウントアダプターでEFレンズをEOS Rで使う

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激しく今更&少し前の話しですが、キヤノンのミラーレス一眼カメラ「 EOS R 」を購入しました。登場したのが2010年10月と既に2年前。私の住む札幌でも キヤノンが主催するハンズオン が開催され参加した際に「そのうち買おう」と思いつつ、早いもので2年が経過。 中々買う機会が無かったのは、何といっても愛用している EOS 7D Mark 2 が本当にレスポンス良くて気に入って不満が無かった為。 とは言え、 EOS R5 / R6 が出た反動もあり、相対的(というか逆算的)に、お買い得感と再評価が高まった EOS R 。そろそろ買っても良い頃合いかな、と思い出したように購入してみました。 購入にあたりネックだったのが、 EOS R のRFマウントでEFレンズ群を使えるようにするマウントアダプター「 EF-EOS R 」が全く手に入らないこと。 新型コロナの影響による世界的なサプライチェーンの停滞や工場稼働の問題、更には真打 EOS R5 / R6 のリリースで需要の高まりもあり、店舗に予約しようにも「入荷まで3ヶ月以上は覚悟してください」と言われる始末。 そこで「つなぎ」として、中国・深圳にある JJC社(Shenzhen JinJiaCheng Photography Equipment Co., Ltd.)の互換マウントアダプター(要はパチモン) を購入。 本家 キヤノン純正「EF-EOS R」 が定価15,000円(税別)、実売12,000円程度(しかも品薄の昨今では2倍以上のプレミアムが付いてる!)なのに対し、この中華パチモンは約$50、私が Amazon.co.jpで購入した際の価格が6,500円 でした。 そして何も問題なく手持ちの各種EFレンズ/EF-Sレンズが使えてしまい拍子抜けしたものです・・・予約入れたままの キヤノン純正EF-EOS R 、どうしたものか・・・。 因みにRFレンズを購入しようと思わなかったのは、前述の EOS 7D Mark 2 も当然、並行稼働させていく為。欲しかったEFレンズ群をこれからも少しずつ買い足して行きたく考えます。〔了〕 PelicanLovers.com 米国PELICAN社のペリカンケースなどハードケース愛好家のためのサイト。ペリカンケースを始

無限に戦える感覚、USBバッテリーチャージャー

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1980年、雑誌コロコロコミックに掲載された「 ドラえもん のび太の恐竜 」。それまで短編で完結していたドラえもんを壮大なスケールで描く大長編シリーズの第1作目であり、最初の劇場版アニメの原作となった作品です。 この「 のび太の恐竜 」は、ドラえもんの持つ未来の魔法のような道具たちが、とても心細く描かれているのが印象的です。その代表例がご存知「タケコプター」。「のび太の恐竜」では、北アメリカから日本までの果てしなく途方も無い距離をタケコプターで進むのですが、タケコプターは充電式電池を搭載しており、8時間連続駆動が限界とのこと。物語では、バッテリー残量との過酷な戦いが描かれます。 バッテリーを搭載したガジェットに囲まれた昨今。台風や地震のような天災や原発事故のような人災、さらにはパンデミックなど幾多の困難をサヴァイブする現代人において、バッテリー残量は時に生命線となる最重要な要素の1つとなっています。 生死にこそ影響は無いものの、デジタルカメラにおけるバッテリー残量はカメラ趣味人たちにとって常に頭の痛い課題であり続けています。あたかも等比級数的に容量を急拡大するメモリーカードに比べ、バッテリー残量の心許なさは10年経っても大きなパラダイムシフトはありません。 そうした中で1つのソリューションとも言えるのが USBバッテリーチャージャー です。今回、私は愛用する高級コンデジ「 PowerShot G1X 」で用いられるバッテリー NB-10L に対応したUSBチャージャーを購入しました。 いわゆるマイクロUSB接続で充電できるこのUSBチャージャーがあれば、モバイルバッテリーで外出先でも充電ができます。   これで PowerShot G1X で撮影を愉しむ際、最初は 純正NB-10Lバッテリー で撮影し、充電残量が尽きたら、このUSBチャージャーでモバイルバッテリーから充電しつつ、 安価な互換バッテリー で暫く凌いだり、カフェで休憩。気づけば最初に切れたバッテリーが無事、充電完了している、という優れもの。 このサイクルを繰り返せば、メモリーカードの最果てまで撮り続けることができる、実に心強いアイテムです。 どんなに道具が便利になっても、その動力源であるバッテリーがネックになってくる。 40年前、残量表示さえままならなかったニッケル・カドミウム電池くら

ACK-E6の中華コピー、いまいちダメだった件

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キヤノンの一眼レフカメラ/ミラーレスカメラ用の外部電源ケーブルキット 「ACK-E6」がプレミア価格となって久しい です。税別定価10,000円の商品が、新品22,000円ほど、中古でも14,000円ほどの値付けがされています。 これはメーカーのキヤノン側が既に販売終息としてしまった為ですが、元々「ACK-E6」は「 AC-E6N(定価税別9,500円) 」と「 DR-E6(定価税別4,500円) 」をセットとして販売されていたもので、現在ではそれぞれを別々で購入する必要があり、合計・税別14,000円と、以前のセットに比較すると割高感が否めません。 また、プレミア価格がついている理由は他にもあって、動画撮影が活発に行われる昨今の時流から純正品の欠品が続き、当記事の執筆(2020年12月)時点でも納期2ヶ月以上というバックオーダーを抱えている状況(新型コロナの影響でサプライチェーンが影響を受けたという理由からも生産が鈍っているらしい)。 とは言え、いつまでも待ってもいられないので、愛用の一眼レフカメラ EOS 7D Mark2 の外部電源ケーブルとして、キヤノン純正品に変わる中華製パチモンを購入してみました。 結論を言うと 、EOS 7D Mark2でも基本的には使えるものの、一部の動作時にエラーとなりカメラが強制終了される不具合を確認しています。 また、ミラーレスの EOS R では(同じバッテリー形式なのに)対応しませんでした。 (後日談:どうも接触が悪かったようで、EOS Rでは問題なく使えることが確認できました)   購入したのは 中国ZHENFA New Energy Science & Technology社 のダミーバッテリー、聞いて驚け、僅か$15(しかも送料込!)。この製品の特徴は純正品と違い、AC電源では無く、USBモバイルバッテリーで動かせること。5V・2〜4A の入力電源を8.4Vに変換してカメラ側に送るというもの。 早速、EOS 7D Mark2で試してみたところ、写真(ファインダー撮影)/写真(ライブビュー撮影)/動画(ライブビュー撮影)ともに基本的には問題なく利用できました。 ・・・が、なぜかストロボを用いた撮影時にはシャッター幕の途中でカメラ側がエラー表示となってハングアップしてしまいます(=とても精神衛生上よくな

出張時のEDC 〜 What’s in my pockets.

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私は出張が大嫌いです。いろいろ理由はありますが、移動コストが膨大な割に生産性が低いと考える為。元からそれ程多くありませんが、出張と聞くと嫌な思いになります。 仕事故に移動で遅れが生じない無いよう、常に時間を意識する行為そのものや、せっかくコストを掛けて行くのだから納得のいく成果を得たいという気負いからも疲れがち(真面目でしょ?(苦笑))。   それでも、出張先での仕事を終えた後は、そうした緊張感からも幾分は解放され、気分的にもリラックスできるので、趣味を兼ねて必ずカメラを持って行くようにしています。普段と違う旅先の光景を撮影できる絶好の機会ですからね。   【関連記事】EDCと俯瞰撮影 突然ですが「EDC」をご存知でしょうか。「EveryDay Carry」の略で、その名の通り毎日持ち歩くものを指します。EDCの理念を私なりに解釈するなら「現代人の都市生活をサヴァイブするための日常携行ツール」と定義します。   今回は、そんな出張時のEDC(Every Day Carry:携行品を)ご紹介します。 (1)Apple Watch Series3 と (2) Apple Watch Series6  暫く Series3 を愛用していましたが、今秋(2020年9月) Series6 が発売された事から買い増しして2台体制で運用しています。  Apple Watchのエラい所は2台使い分けがシームレスに出来ること。常に2台のどちらかを腕に装着し、交互に充電運用しています。お風呂に入るときも寝るときもアクティビティトラッカーとしてバイタルサインのログ収集を徹底。  また、コンビニ・自販機での買い物や公共交通機関、そして飛行機の搭乗も今やApple Watchで出来る時代に。2台あれば何かと安心な、いまや私にとって必須ガジェットとなっています。   (3)PowerShot G1X  私が愛して止まない高級コンデジ G1X 。レンズ部分の出っ張り故にカバンに収納すると嵩張ります。それもあって、今年2月にPanasonicの高級コンデジLUMIX DMC-LX9を購入したものの、操作性の良さから結局、嵩張っても G1X を持って行ってしまいます。 【関連記事】忘れられた旅カメラ、PowerShot G1X:PelicanLovers.com 2012年

999.9のNP-16、同じ眼鏡を再び購入

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歌人・枡野浩一氏 は、眼鏡が壊れた際、再び同じフレームを買い直したとのこと。 いわく、眼鏡の形そのものが自身の顔を形成する要素になっている為だとか。廃盤になったフレームのため、メルカリで探して購入したと氏が ラジオ番組 で言っていたのを聞いたときは、長年同じ眼鏡(&それによって形成される自身の表情)に飽きて来ないものなのか、と疑問に思った程です。 【近況】いつかはこの日が来ると覚悟していました。しばらくはスキンヘッド時代にかけていた、ややスガシカオなレンズの眼鏡をかけて過ごします。ゾフィー単独ライブに感化され、突然とんがりたくなったわけではありません。ご容赦ください。もう廃盤の型で、顔の一部だったから残念です。(枡野浩一) pic.twitter.com/SLBqvCBqV3 — 歌人 枡野浩一【こういち、ますの。かじん】毎日のように「いいね」は来るけれどあなた以外の人からである (@toiimasunomo) February 19, 2017 ・・・そう思っていた私も、まさかの2度同じ眼鏡を買うことになりました。愛用していた999.9(フォーナインズ)のプラスチックフレーム「 NP-16 」が壊れた為、自力で修理をして暫く使いつつ、次の眼鏡を探していたものの、気に入ったフレームが見つからず。 DIY修理も殊の外うまく行った事もあり、暫定のつもりが気づけば1年もの間DIY修理した眼鏡を使い続けておりました。 【関連記事】How to repair your broken eyeglasses. 愛用のセルフレーム眼鏡 FourNines(999.9 / フォーナインズ)の「NP-16」が壊れたのでDIY修理をしてみました。それは、もう見事にフレーム中央からポキっと割れたものです。   そろそろ次の眼鏡を良い加減作らねば、と思いつつも、イメージチェンジをしたい年頃でも無いこともあって、かれこれ5年使ってきた NP-16 をまた買うことに。 若い時であれば、常に自分が「何か」に成りたい、との思いがあって、そこに近くための一歩として、服の趣味を変えてみたり、それこそ眼鏡の形状を変えてみたり、自らのイメージを手っ取り早く変えることのできるアイテムに手を出したりしたものです。 しかし、歳を重ねるに従い、「何か」に成りたい、という想いよりも、「自分」

1968年製FL 50mm F1.4 IIでの動画撮影

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写真撮影では切れ味の鋭い描画が好みのため、いわゆるオールドレンズと呼ばれるフィルムカメラ時代のレンズを用いることは殆ど無いのですが、動画撮影については、その滲み具合を面白がってたまに活用しています。 上記は、長女が演奏するピアノをキヤノン「 EOS 7D Mark II 」(APS-C機)で撮影した時のもの。レンズは1968年にキヤノンがリリースした「FL 50mm f1.4 (II)」を用いて撮影しました。   そんなオールドレンズをEOSに装着して撮影したのが上記の動画。FL/FDマウントをEFマウントに変換するマウントアダプターを介しているのですが、フランジバックの関係で補正レンズがアダプターに入っています。この補正レンズの影響を結構受けていて、絞り開放〜更に2段絞ったf2.8位までは上記のように滲んだ感じなってしまいます。 この時、絞りは開放f1.4で撮影しているので、滲みが酷いのですが、逆にそれがなんだか不思議な雰囲気となって良いかな?と敢えて開放にしてみた次第です。 上記動画は曲名字幕こそ入れていますが、カメラ撮影部分は”撮って出し”の無加工。演出としてオールドレンズ(と仲介するマウントアダプター)の欠点を活かしてみました。 カメラは EOS 7D Mark IIというASP-C機 のため、レンズの焦点距離50mmは換算1.6倍で約80mm相当に、絞り値はf1.4で撮影したので、ボケ量としてはフルサイズ機(35mm判)換算で約f2.0相当になります。 前述のようにマウントアダプターの影響で、このレンズは最低でも絞りはf5.6、実際にはf8.0位まで絞らないと滲み等の関係から実用的では無いのですが敢えて開放f1.4で撮り、滲みを引き出そう、という遊びも面白いですよ(苦笑)。   「FL」という聞き慣れないレンズマウントかと思いますが、キヤノンが1964年から1971年の間に用いていたマウントです。このFLマウントの後に1971年から続いたのが「FD」マウントで、こちらは馴染みある方も多いと考えます。 簡単に言えばFLマウントにTTL開放測光用絞り連動レバーをつけたのがFDとなりますが、FL時代のスピゴットマウント(カメラとレンズを接合後に締め付けリングを回して固定する方法)のままなので上位互換(=FLレンズはFDレンズの使えるカメラで