装着感以外は、ほぼ完璧なYAMAHA TW-E3A

This earphone is a masterpiece!
Bluetooth接続のワイヤレスイヤホン、それもノイズキャンセリング機能搭載が全盛な昨今、ノイキャン無し&安価なヤマハ製ワイヤレスイヤホン「TW-E3A」を購入してみました。
 
実売1万円弱と(中華新興メーカーを除く伝統的なオーディオブランドからリリースされているワイヤレスイヤホンとしては)最安値圏にあるこのYAMAHA TW-E3Aが殊の外すばらしかったのと、ただ一定の条件を考慮せねばならない事から、記事にまとめてみました。
 
 
結論、音色は素晴らしいが装着に難アリ
結論から言うと「装着感」には「難アリ」ですが、素直で伸びやかな「安定した音質」や、ヤマハ独自のリスニングケア機能(小さな音量でもクリアに聴こえる補正機能)のおかげで、ここ数年、私がよく聴くピアノ音楽に最適と感じました。
 
ヤマハのイヤホン/ヘッドフォンというと全般的にクセの少ないフラットな音色が特徴とされています。いわば「モニタースピーカー」のような原音を忠実に再生することを善とする設計思想に貫かれていると考えます。これは多分にヤマハが楽器メーカーである事に起因するアイデンティティ故と想像する訳です。
 
 
薄味ながら鮮明な音色
ネット上のYAMAHA TW-E3Aレビューを見ると皆さん書かれているように、音に関してはクセの無いフラットで綺麗な音色を奏でてくれます。正直なところ、これは期待していた以上の音質の良さで驚きました。

例えば、ネオクラシック(ネオクラシカル)系で活躍するスウェーデンの音楽家、ピーター・サンドバーグ氏のピアノ曲「Remove The Complexities」では、奏者が鍵盤を叩く音も含めて「空間」が演出されているのを、このYAMAHA TW-E3Aは繊細に奏でてくれます。


他にも私の好きなピアノ曲では、moux氏の「Gaze」も、きめ細やかで繊細な音色を奏でてくれ、とても聴きやすい印象です↓



他にも英国のニューエイジ系の作曲家であり歌手でありピアニストでもあるPhildel氏のピアノ曲「Qi」も繊細さと力強さの両面を如何なく奏でてくれます。



他にも、アコースティック楽器のライブ演奏などもとても心地良く聴く事ができます。反面、ロックやテクノなど野太い重低音が欲しいシーンには不向きだと考えました。
 
 
This earphone is a masterpiece!
リスニングケア機能は違和感なく効果を発揮
一時期はワイヤレスイヤホンに音質を期待すること自体を半ば諦めていたのですが、最近の音質向上には目を見張るものがありますね。
 
それはBluetooth規格や圧縮技術の向上など複合的な要因が組み合わさった結果なのでしょうが、中でもBluetooth5.0以降かつiPhoneを使っているならコーデックがAAC対応であれば音質が十分期待できるようになりました(因みに、このYAMAHA TW-E3AはBluetooth5.1、AAC対応デス)。
 
中でも、ソニーのノイキャン付きワイヤレスイヤホン「WF-1000XM3」(←其れにしても、この覚えにくい名称は何とかならんのかね)の試聴機をお借りする機会があったのですが、この音質はひとつのマイルストーンになった感があります。
 
遂にワイヤレスでも良い音が出せるようになったものだ、と感慨深く聴いたものですが、ソニー製品はもう買わないと誓ったことや、アプリで色々と細かく設定する仕様(=イヤホン単体で完結せず、移り変わりの激しいスマホ世界のアプリに依存する仕様)が好きになれず見送りました。
 
極論ではありますが・・・YAMAHA TW-E3Aの音色は、個人的には価格差が約3倍あるソニーのWF-1000XM3よりも良いとさえ感じます(!)。いや、ホントにさ(苦笑)。ともに繊細で微細な音まで再生してくれる点では同じく秀でていますが、ソニーのアプローチはノイキャン機能で作り出した静寂の中で奏でるのに対し、YAMAHA TW-E3Aはリスニングケア機能でカバーしてくれる感じです。
 
リスニングケア機能についてヤマハの公式ページより引用すると↓
 
人間の耳は周波数帯によって感度が異なり、音量によって聴こえ方が変わるため。小さなボリュームのときほど、低音と高音が聴き取りにくくなる。それが、知らず知らずのうちに大音量にしてしまう原因のひとつだ。「リスニングケア」は音質調整によって、そういった音の聴こえ方を音量ごとに最適なバランスになるよう補正。ボリュームを抑えても自然で聴きやすい音を再現し、ひいては必要以上に音量を上げることによる耳への負担を軽減することができる。
 
と紹介されています。
これを読む限り、原理的には古くからあるオーディオアンプに付いていた「ラウドネス」機能(ウチにあった1970年代のアンプには既に付いていた)と同じで、いわばイコライザー機能といえる訳です。それを現代的にヤマハがリファインしたようなイメージで捉えて差し支え無いと考えます。
 
ただ、ラウドネスと違って、ヤマハのアプローチは、とてもナチュラルなもので上手く出来ているように感じます。このリスニングケア機能はデフォルトでONになっているのですが、スマホアプリからOFFにする事も可能。ONとOFFで聴き比べて、不自然にならない調整の仕方はさすがヤマハだと感じるものでした(スマホアプリで出来るのはON/OFF切り替えのみで至極単純な構成。アプリ側で細かい調整などは一切無し)。
 
ソニーのWF-1000XM3はノイキャン機能と併せて自らスマホアプリで自分にとっての最適解を探るようにイコライジング調整していくのに対し、YAMAHA TW-E3Aは基本的にはスマホアプリを必要とせずにリスニングケア機能がデフォルトでONになっていてアプリを用いても調整も自分では出来ない、というシンプルさがあります。好みにもよりますが、私はシンプルなYAMAHA TW-E3Aが好みでした。
 
また、こうしたナチュラルな「聴きやすさ」がリスナー側には「音質の良さ」として感じられる点が最大の特徴であると考えます。それ故にノイキャン機能が無くてもYAMAHA TW-E3Aの音が聴きやすくて良い音色に感じるのだと考えます。
 
前述のヤマハ公式サイトには以下のようにも書かれています。
 
アーティストや制作者の想いが伝わるよう、あくまでもニュートラルで自然。オーディオ製品でヤマハが貫いてきたナチュラルサウンドがここにも踏襲されている。

元来、イコライザー機能による調整は真逆のアプローチのように思えますが、ニュートラルで自然を再現するための調整に徹しているのがヤマハの凄いところだと考えます。
  
  
ノイキャンは必須なのか
私見では密閉度の高いイヤーピースを用いればノイキャン(アクティブノイズキャンセリング機能)に匹敵すると考えます。もちろんノイキャンがもたらす静寂感はありませんが、周囲の雑音を遮るという観点から考えると、このイヤーピースという伝統的な方法もバカにはできません。
 
一方でアップルがAirPods Proでノイキャン機能を付けた事から、2019年以降のイヤホンではノイキャン付きがマストになった感もあり、ハードルは一気に上がってきました。勿論iPhoneユーザーなら、定番AirPods Proが選択肢にある訳ですが、(短くなったとはいえ)どうしても耳から伸びる白い棒が私としては許容できず、見送る事にしました(あとたまに見かけますよね、ファッションアイテムとして常にAirPodsを付けてる兄チャンとか。あの棒状の先端の角度が上がり気味でイキってる風の。あーゆー人たちも苦手で)。
 
とは言え「どうせ買うならノイキャン付きが良いな」と、当初は同じくヤマハが、このTW-E3Aの上位機種として2020年春に発売予定だったノイキャン付き「TW-E7A」の購入を想定していましたが、新型コロナ感染拡大の影響から発売延期となっています(執筆時点では2020年夏発売予定にリスケ)。
 
「TW-E7Aのリリース時期がかなり延びたし、其れ迄はとりあえずTW-E3Aを使ってみよう。E7Aが出たらE3Aは長女にあげるか」と、女子でも抵抗ないカラーのホワイトを選んだ訳ですが、TW-E3Aの音色が私の好みにマッチしてたので、このまま使い続ける事にしました(長女は引き続き有線のゼンハイザーHD219を使用する事に)。

ノイキャン有無については後述するイヤーピース選びの過程で耳にジャストフィットしたものが見つかった関係から、十分な遮音性を獲得できたので、とりあえずノイキャン機能は不用と考えました。ヤマハのTW-E7Aがどのような仕様か分かりませんが、ソニーにしろアップルにしろBOSEにしろ、ノイキャン独特の耳がツンとなる感じもあまり好きじゃないので積極的にノイキャン付きを選ぶ必要も無いかな、というのが私の考えです。
 
 
唯一の難点は装着感
これは個人差の大きい部分なので一概に言えないのですが、私の耳の形状には合わず、しっかりとした装着感を得られずに音漏れ等の課題を抱えました。
 
これはTW-E3Aの特徴的な形状に起因するもので、まずイヤーピースを装着する筒状の部分(音筒部)が短く、それでいて垂直にイヤホン本体が伸びているため私の耳では奥まで上手く入らない状態になります。
 

 
上記画像の他社イヤホンとの比較が分かりやすいのですが、他社イヤホン本体はイヤーピースを装着する部分にかけて段階的に細くなっているので(私の)耳の穴にフィットしやすいのですが、YAMAHA TW-E3Aは多少角度は斜めなものの、すぐに本体根本に辿り着いてしまい、奥まで装着することができませんでした。イヤーピースの装着される音筒部がもう少し長ければいいのでしょうが・・・
 
また、本体には「スリーブ」と呼ばれるシリコンのカバー状になったもので覆われており、耳全体にいれるイヤホン部分が大きくなってしまっているのと、音筒部と耳までの距離を更に縮めています。
 
他にも付属のイヤーピースが、良い意味ではしっかりしてて、悪い意味では反発力が強くて耳の穴に入れても少し経つと出てきてしまいます。これはイヤーピースのサイズを変えてみたのですが、劇的な改善にはなりませんでした。
 
そこで私は、まずスリーブを取り外す事に。スリーブはSサイズ(本体に装着済)とMサイズの2つが用意され、デザイン的にもこのどちらかを装着しての使用を想定されているようですが、私は思い切ってスリーブは取り外し、少しでも耳(耳甲介腔)に占める面積を減らすことで私の耳にも収まるようにしました。
 
またイヤーピースも他社製の柔らかく小さめのものに変更することで私の耳にフィットさせました。私はイヤーピースを各種20セット程持っていたので、その中から毎回適合するのを選ぶので、どこのメーカーの何というイヤーピースかは不明ですが、なんとか良い感じに遮音性も高くフィットするものを見つけられました。
 
 
YAMAHA EPH-R32.
この一連の過程で思い出したのが、以前に買った同じヤマハ製の安価な有線イヤホンEPH-R32。これはメインで気に入って使っている有線イヤホン断線したので、その修理中に代打として購入したのですが、最後まで私の耳にうまく合わずに(=ヤマハのは大きくて入り難く)結局使うのをやめてしまいました。このEPH-R32もフラットな良い音だったんですけれどもね。残念です。
 
 
まとめ:耳に合えば、価格以上の価値ある選択
総じて耳に合えば、同価格帯でベストな選択と考えます。耳に合うかどうかは店頭で装着とか中々出来ないでしょうし、それに微妙な装着感は相応に長い時間装着しないと分からないものなので、もし耳にフィットしなければ自分で様々なイヤーピースを試す等する事を愉しめる私のような方なら、尚ベストと考えます。
 
また、派手な曲よりも落ち着いた曲を好む方にもオススメしたいフラットな音色が好感持てます。
 

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