写真家・田中長徳氏の功罪
先日の記事に引き続き、写真家・田中長徳氏について。 私は熱心なファンでは無いけれども、写真家として&物書きとして氏のライトなファン(なのかな?)で、著者も5〜6冊は持っています。中でも氏の著書「 GRデジタルワークショップ 2」(2008年・エイ出版社) は今読むと実に興味深い内容です。 以下、前述の書籍より抜粋 「 私はGRDのレンズ交換式なんか出たら面白いなと思ってます。 バヨネット式だとゴミが入るので、例えばレンズとCCDを一体化して、 ボディを受け皿にしてレンズユニットがぱちんと組み込める、とか。 」 そう、リコーが大失敗した「 GXR 」そのものですね、コレは。 氏はリコー社とは フィルムカメラGR1 のアドバイザーを務めたという話もある程、浅からぬインサイダーな関係性をアピールしていた時期でもあったので、GXR開発に何らかの関わりがあったと考えるのが自然です。 そんな氏がリコーをそそのかしたのか、それともリコー自体が持つアイデアを氏がリファインしたのかは不明ですが、まさにGXRは生まれて、そして市場に全くインパクトを与える事なく消え、語り継がれる事も無く、いまでは中古市場でも二束三文という散々な結果に終わっています。 Photo by "boy wakanmuri". GXRが再評価される日は・・・正直、そうした未来は想像し難いと考えます。何故ならセンサーにせよ、処理回路にせよ、ソフトウェアにせよ、バッテリーにせよ、日進月歩の進化が激しいのがデジタルカメラの世界。 そうした意味では進化速度の時間軸が違う物理光学のレンズだけが交換できる現在のレンズ交換式カメラというのは、結果的にデジタル化の時代に於いて最も合理的な分離箇所だったのでしょう。 さて、冒頭で私は氏のライトなファンだ、と書きましたが、もう少し率直に言うと、むしろ「嫌い」だったりします。嫌いだけど著者を数冊買うくらいのファンではある、というか・・・ 私が田中チョートク氏を嫌う理由は、常にどんな話をしても「ライカが素晴らしい」の一点に辿り着く点と、嫌味な点でしょうかね。 前述の著書「 GRデジタルワークショップ 2 」では、わざわざ高級腕時計パネライと並べて撮ったり(デカ