Minolta never die.




ミノルタは死なず。ただ消え去るのみ。

(実際、消えた訳ですが・・・)


このミノルタα7000(北米ではMAXXUM-7000の名がつけられた)は、いまは亡き私の祖父が使っていたもの。祖父は写真好きだったようで、自宅に暗室を設けていたという話を聞いたこともあります。血は受け継がれていますね(苦笑)。

私が祖父の家で目にした唯一のカメラがこのミノルタα7000。他のカメラはしまってあったのか処分したのかは今となっては定かではありませんが、故に祖父といえばα7000の印象があります。ただ、このα7000を屋外で使っている祖父を見たことはありません。

祖父は身体を壊し、永らく自宅で酸素ボンベを付けての不自由な生活を強いられていました。そのため外出して使う機会も少なかったのか、真新しいままのα7000が居間のテーブルに置かれていました。

私が高校生の頃、「これ、持っていって良いぞ。」と気前よく貸してくれたのを思い出します。今となってみれば、恐らくもう外で撮る機会など無いと考えたのでしょう。以来、約30年に渡り私の手元で活躍してくれています。

いま触ってみて感じるのは、デジタル化したとは言え、基本構造はα7000(1985年製)と昨今のDSLR(デジタル一眼レフカメラ)と基本的に同じ延長線上にあると感じる程に操作体系が同じである、という点です。それほどα7000が未来を先取りしたカメラだったとも言えます。



手元にあったα7000のマニュアルをスキャンして電子化してみました。需要は殆ど無いと考えますが、もし必要な方は下記からDL下さい。
ミノルタα7000 取扱説明書(使用説明書:1985年) PDF形式 60MB
http://urx.blue/7Fvs
当たり前ですが、35mmフィルムなので、昨今でいうところの「フルサイズ一眼レフカメラ」ですね(苦笑)。前述のように、現代のDSLRと操作体系が変わらないのでデジタル世代な昨今の若者でも違和感なく使えると考えます。

また、標準キットレンズとして用意された、AF ZOOM 35-70mm F4はコンパクトなのに描画も発色も美しい正に銘玉で使い勝手が大変良いレンズです。


奥の木々と建物の間との光の当たり具合など空気感が最高です。
 

動物園のオオカミを室内から撮影するカメラマンたち(を室内から撮影する私)。開放F4と、それほど明るいレンズではありませんが、不自由さはあまり感じませんでした。上記写真もフィルムはKodak Gold 100(ISO100)で撮影しています。
 

手前と奥で適度な立体感が出せる開放F4を好んでいました。
開放でも十分シャープで良いレンズです。
(こちらもフィルムはKodak Gold 100を使用)


晩年の祖父の想い出にあるのは、古い時代を生きた人の割に、テクノロジーへの理解があった事(およそハイテクとは無縁な元銀行マンなのに)。

α7000が持つAFの仕組みや、レンズの焦点距離値をカメラボディ側に電子的に伝えることでリアルタイムで露出が変わる仕組み等、当時「αショック」と呼ばれたハイテク装備を解説してくれたのを思い出します。

他にも、ようやくWindows95が発売された頃で、まだ一般家庭にインターネットが十分に普及する以前にも、祖父自身は使ったことも見たこともないWorld Wide Webの仕組みを概ね正しく理解していた点にも驚きました。

α7000を手にする度に、そんな祖父の姿を思い出します。[了]

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